■2010年行政書士試験・地方自治法

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■公の施設(2010−21)【条文知識問題】

以下の記述のうち、地方自治法に規定されている内容として、誤っているものはどれか。

1) 地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的であれば、その区域外においても公施設を設けることができる。

2) 公の施設の設置および管理に関する事項について、法律またはこれに基づく政令、特別の定めがない場合には、地方公共団体の長が規則でこれを定めなければならない。

3) 公の施設の利用関係において、一定の地方税の負担をしているような「住民に準ずる地位にある者」には、住民と同様に、不当な差別的取扱いの禁止を定めた地方自治法244条3項の規律が及ぶ。

4) 指定管理者に公の施設を管理させようとする場合、地方公共団体は条例でその旨を定めなければならず、長の規則によってこれを定めることはできない。

5) 県知事がした公の施設の利用不許可処分に不服がある者は、総務大臣に審査請求をすることもできるし、県知事に異議申立てをすることもできる。

■解説

【難易度】易しい。

1) 正しい。地方自治法244条の3第1項。

2) 誤り。よってこれが正解である。公の施設の設置、管理については条例主義(244条の2第1項)が採られている。塩野宏『行政法V』第2版(2001年、有斐閣)172頁。

3) 正しい。最判平成18年7月14日(判決文〔最高裁〕)。

4) 正しい。244条の2第3項。

5) 正しい。244条の4第1項。

■大都市制度(2010−22)【条文知識問題】

地方自治法が定める大都市制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 中核市は、指定都市と同様、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例でその区域を分けて区を設けることができる。

2) 指定都市に置かれる区は、都に置かれる特別区と同様に、法人格が認められている。

3) 指定都市の数が増加したことにともない、指定都市の中でも特に規模の大きな都市については、特に特例市として指定し、より大きな権限を認めている。

4) 指定都市は、必要と認めるときは、条例で、区の議会を置くことができる。

5) 指定都市は、地方自治法において列挙された事務のうち、都道府県が法律またはこれに基づく政令の定めるところにより処理することとされているものの全部または一部で政令で定めるものを処理することができる。

■解説

【難易度】普通。

1) 誤り。指定都市には区がおかれるが(252条の20第1項)、中核市にはおかれない。

2) 誤り。頻出の項目である。東京23区つまり特別地方公共団体たる特別区と異なり、指定都市の区(250条の20第1項)は法人格を有しない。

3) 誤り。指定都市は、「政令で指定する人口50万以上の市」(252条の19第1項)であり、一方特例市は、「政令で指定する人口20万以上の市」(252条の26の3第1項)なので、「指定都市の中でも特に規模の大きな都市については、特に特例市として指定」という記述は数字的に見て誤りであると分かる。

4) 誤り。指定都市には区がおかれるが(252条の20第1項)、議会は区におかれない。

5) 正しい。252条の19第1項。

■住民概念(2010−23)【条文知識問題】

「住民」にかかわる地方自治法の規定に関する次のア)−オ)の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア) 都道府県知事の被選挙権は、当該都道府県の住民ではなくとも、法定の年齢以上の日本国籍を有する者であれば認められる。

イ) 地域協議会の構成員は、地域自治区の区域内に住所を有する住民の中から市町村長によって選任される

ウ) 都道府県は、その住民につき、住民たる地位に関する正確な記録を整備しておかなければならない。

エ) 市町村議会の議員が住所を移したため被選挙権を失っても、その住所が同一都道府県の区域内に在るときは、そのために失職することはない。

オ) 町村におかれる町村総会を構成するのは、当該町村の住民のうち選挙権を有する者である。

1) 1つ

2) 2つ

3) 3つ

4) 4つ

5) 5つ

■解説

【難易度】普通。ただ個数問題のため出題形式の面で難しさはあったかもしれない。

ア) 正しい。19条2項。

イ) 正しい。202条の5第2項。

ウ) 誤り。都道府県ではなく、「市町村は」、その住民につき、住民たる地位に関する正確な記録を整備しておかなければならない、が正しい(13条の2)。

エ) 誤り。市議会議員ではなく、都道府県議会議員についての説明である(127条2項)。

オ) 正しい。94条。

よって正解はウ、)エ)の2つとなろう。

■住民訴訟(2010−24)【条文知識問題】

地方自治法に定める住民訴訟に関する次のア)−オ)の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア) 自ら住民監査請求を行っていない住民であっても、当該普通地方公共団体の他の住民が住民監査請求を行っていれば、住民訴訟を提起することができる。

イ) 住民訴訟においては、住民監査請求と同様、公金支出の違法の問題のみならず不当の問題についても争うことができる。

ウ) 他の住民による住民訴訟が係属しているときには、当該普通地方公共団体の住民であっても、別訴をもって同一の請求をすることはできない。

エ) 住民訴訟は、当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する高等裁判所に提起することとされている。

オ) 違法な支出行為の相手方に損害賠償の請求をすべきであるのに長がこれをしていない場合、長に対して「当該相手方に損害賠償請求をすることを求める請求」を行うことができる。

1) ア)、イ)

2) ア)、エ)

3) イ)、エ)

4) ウ)、オ)

5) エ)、オ)

■解説

【難易度】易しい。

ア) 誤り。242条の2第1項は、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項(住民監査請求)の規定による請求をした場合において…訴えをもって次に掲げる請求をすることができる」、と規定している。

イ) 誤り。「訴訟」が扱うのは違法、合法の問題であり、当不当の問題は扱うことができない(242条の2第1項本文)。

ウ) 正しい。242条の2第4項。

エ) 誤り。提起するのは高裁ではなく、「当該普通地方公共団体の事務所の所任地を管轄する地方裁判所」である(242条の2第5項)。

オ) 正しい。242条の2第1項4号。

よって正解はウ)、オ)の4)となろう。