■2010年行政書士試験・行政手続法

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■意見公募手続(2010−11)【条文知識問題】

行政手続法に基づく意見公募手続に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 意見公募手続の対象となる命令等に含まれるのは、政令や省令などのほか、審査基準や処分基準といった行政処分の基準に限られ、行政指導の基準は含まれない。

2) 地方公共団体の行政庁が法律を根拠とする許認可等の審査基準を定める場合には、意見公募手続が義務付けられている。

3) 意見公募手続において意見を提出できる者については、特段の制限はなく、命令等との利害関係などとは関わりなく、何人でも意見を提出できる。

4) 意見提出の期間は同法で法定されており、これを下回る期間を定めることは認められていない。

5) 意見公募手続において、提出意見があった場合には、提出意見やそれを考慮した結果などを公示しなければならないが、提出意見がなかった場合には、その旨を公示する必要はない。

■解説

【難易度】易。単純条文知識問題である。

1) 誤り。ここで言う「命令等」には、審査基準、処分基準や行政指導の指針が含まれる(行政手続法2条8号ロ−ニ)。

2) 誤り。地方公共団体による意見公募手続は、行政手続法の適用除外を受ける(3条3項)。

3) 正しい。これが正解である。

4) 誤り。意見提出期間は原則、命令等の案を公示した日から起算して30日以上とされているが(39条3項)、これを下回る日数を定めることも可能な場合がある(40条1項)。

5) 誤り。意見公募手続により命令等を定めた場合、命令等についての意見(提出意見。42条)を公示しなければならないが、提出意見がない場合はその旨を公示する必要がある(43条1項3号括弧内)。

■標準処理期間(2010−12)【条文知識問題】

行政手続法による標準処理期間についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 地方公共団体がなす許認可等についても、法律に根拠を有するものの標準処理期間は、主務大臣が定めることとされている。

2) 申請に対する処分と異なり、届出の処理については、標準処理期間が定められることはない。

3) 申請の処理が標準処理期間を超える場合には、行政庁は、申請者に対して、その理由と処分の時期を通知しなければならないとされている。

4) 標準処理期間とは、申請が行政庁によって受理されてから当該申請に対する処分がなされるまでに通常要すべき期間をいう。

5) 標準処理期間を定めることは、法的な義務であるから、これを定めることなく申請を拒否する処分をすると、重大な手続上の違法として、それを理由に処分が取り消されることがある。

■解説

【難易度】易。

1) 誤り。標準処理期間を定めのるは行政庁であるから(6条)、地方公共団体がなす法律に基づく許認可等についての標準処理期間は、その行政庁が定める。主務大臣ではない。なお条例又は規則に基づく、地方公共団体の機関がする処分には、行政手続法は適用されない(3条3項括弧書参照)。

2) 正しい。届出書が形式的要件を具備していれば、届出書が届出先機関である事務所に到達すればそれで届出は完成する(37条)、つまり「期間」を観念できないからである。

3) 誤り。9条のような制度は用意されているが、本肢の様な行政庁の義務はない。

4) 誤り。申請が行政庁によって「受理」されてから当該申請に対する処分がなされるまでに通常要すべき期間、ではなく「申請が行政庁に到達してから」(6条)、が正しい。

5) 誤り。標準処理期間の設定は法的義務ではなく、努力義務である(6条)。

■行政指導(2010−13)【条文知識問題】

行政指導に関する次の記述のうち、法令にてらし、正しいものはどれか。

1) 地方公共団体の機関として行政指導に携わる者は、法令に根拠を有する処分に関する行政指導の場合と条例に根拠を有する処分に関する行政指導の場合のいずれについても、行政手続法の行政指導に関する規定の適用を受けない。

2) 行政指導に携わる者は、とくに必要がある場合には、当該行政機関の任務または所掌事務の範囲に属さない事項についても行政指導を行うことができる。

3) 行政指導に携わる者は、行政主体への負担金の納付を求める行政指導に相手方が同意したにもかかわらず、納期限までに当該納付がなされないときは、その実効性を確保するために、国税または地方税の滞納処分と同様の徴収手続を執ることができる。

4) 申請に関する行政指導に携わる者は、申請の内容が明白に法令の要件を満たしていない場合であって、申請内容の変更を求める行政指導について申請者が従う意思のない旨を表明したときは、申請の取り下げがあったものとみなすことができる。

5) 行政指導に携わる者は、複数の者に対して同一の目的で行政指導をしようとする場合には、指導の指針を定めるにあたり公聴会を開催しなければならない。

■解説

【難易度】易。10年の行政手続法の問題は、条文知識を問う容易な問題ばかりであった。一方10年試験は、民法、商法の難易度が高かったことをあわせ考えると、行政手続法はとりこぼさないようにすべきであったと言えようか。

1) 正しい。3条3項。根拠が法令か条例かに関係なく、地方公共団体の機関による行政指導については行政手続法の適用除外となる。

2) 誤り。32条1項。

3) 誤り。行政指導の内容はあくまでその相手方の任意の協力によって実現されるもの(32条1項)であり、本肢のようなことは認められない。

4) 誤り。申請者が行政指導に従わないという意思を表明しているのだから、「当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない」(法33条)のである。この場合行政庁は、申請者が申請の補正に応じなければ許認可を拒否するしかない(7条)。

5) 誤り。このような行政指導については、「事案に応じ、行政指導指針を定め、かつ、行政上特別の支障がない限り、これを公表しなければならない」(36条)のである。