■2009年行政書士試験・基礎法学1

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■法令の諸形式、効力(2009−1)【理論問題】

法律・政省令・条例など、各種の法規の概念や相互の関係等に関する次のア)−エ)の記述について、その正誤の組合せとして妥当なものはどれか。

ア) 地方議会が制定する法規が「条例」、知事や市町村長など自治体の長ならびに教育委員会、公安委員会などの行政委員会が定める法規が「命令」であって、両者を総称した概念が「条令」である。

イ) 法律と法律、条例と条例など、形式的な効力が同等の法規の間に矛盾抵触が生じる場合は、一般に、「特別法は一般法に優先する」「後法は前法に優先する」という法原則に従って処理されることになる。

ウ) 教育基本法、環境基木法など「基本法」という名称を持つ法律は、法律の形式をとってはいるものの各議院の特別多数決を経て制定される特別の法律であるから、通常の法律をもって基本法の規定を改廃することはできない。

エ) 現行憲法は最高裁に対し、国会が制定した法律が憲法に適合するか否かを審査する違憲審査権を付与したが、この審査権の対象はあくまでも法律だけであるから、内閣の制定する政令や地方議会の制定する条例は違憲審査の対象にならない。

ア/イ/ウ/エ
1) 正/正/正/誤
2) 誤/誤/誤/正
3) 正/誤/正/誤
4) 誤/正/誤/正
5) 誤/正/誤/誤

■解説

【難易度】易しい。国法の諸形式、効力関係等に関する問題である。

ア) 誤り。「地方議会が」の部分は正しい(地方自治法14、96条。形式的意味での条例)。但し長や各種委員会が制定するのは「規則」であり(15条、138条の4)、地方議会が制定する条例と、規則をあわせて(実質的な意味での)条例と言う。芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』第3版(2002年、岩波書店)339頁。

イ) 正しい。星野英一『法学入門』(1995年、放送大学教育振興会)90頁以下。

ウ) 誤り。基本法という名の法律は、法形式上は通常の国会制定法の1つに過ぎず、基本法の制定につき特別多数決が必要であるとか、通常の法律では基本法を改廃できないということは無い。憲法56条参照。

エ) 誤り。政令については憲法81条の「命令」に含まれるし、条例は地方議会において制定されるので「法律」に準じるものと解されので、双方とも違憲審査の対象になる。宮沢俊義(芦部信喜補訂)『全訂日本国憲法』第2版(1978年、日本評論社)669−670頁。

よって正解は5)となろう。