■2009年行政書士試験・地方自治法

行政書士合格講座行政書士試験の過去問分析>2009年行政書士試験・地方自治法

このサイトについて・プライバシーポリシー 憲法学の窓・公務員試験対策室 Site Map

■地方自治概論(2009−21)【条文知識問題】

以下の記述のうち、地方自治法に規定されている内容として、誤っているものはどれか。

1) 地方自治法に定める「自治事務」とは、地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のものをいう。

2) 地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。

3) 地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求めてその規模の適正化を図らなければならない。

4) 市町村が当該都道府県の条例に違反して事務を処理した場合には、その市町村の行為は無効とされる。

5) 市町村は、その事務を処理するに当たり、当該都道府県知事の認可を得て、総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定めなければならない。

■解説

【難易度】普通。

1) 正しい。地方自治法2条8項。

2) 正しい。2条14項。

3) 正しい。2条15項。

4) 正しい。2条16、17項。

5) 誤り。旧2条4項は、市町村が議会の議決を経て基本構想を定めねばならない旨規定していたが、現在この規定は削除されている。

■監査制度(2009−22)【条文知識問題】

地方自治法の定める監査制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 戦後、地方自治法が制定された際に、監査委員による監査制度のみならず、外部監査制度についても規定された。

2) 普通地方公共団体の事務の執行に関する事務監査請求は、当該普通地方公共団体の住民であれば、1人でも行うことができる。

3) 普通地方公共団体の事務の執行に関する事務監査請求は、当該普通地方公共団体の住民であれば、外国人でも行うことができる。

4) 監査委員による監査は、長、議会または住民からの請求があったときのみに行われるため、その請求がなければ監査が行われることはない。

5) 監査委員の監査の対象となる事務には、法定受託事務も含まれている。

■解説

【難易度】普通。

1) 誤り。外部監査制度(252条の27以下)は平成9年の改正で新設されたものである。条文番号が枝番号であることからして、地方自治法制定時にはなかった制度ということが分かる。

2) 誤り。事務監査請求は、選挙権を有する者の総数50分の1の連署が必要である(75条1項)。

3) 誤り。事務監査請求は、「選挙権を有する者」が当該請求の主体となるので、外国人は主体にならない。

4) 誤り。長については199条6項、議会については98条2項。なお監査請求は請求がなくとも行われる場合が有る(199条2項以下参照)。

5) 正しい。法定受託事務も原則監査の対象となる(199条2項括弧書参照)。

■一部事務組合(2009−23)【条文知識問題】

一部事務組合についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 一部事務組合は、地方公共団体がその事務の一部を共同して処理するために設ける組織であるが、その例としては、土地区画整理組合、市街地再開発組合などがある。

2) 市町村や特別区は、一部事務組合に加入できるが、都道府県は、これに加入することができない。

3) 一部事務組合には議会が設置されることはないので、その独自の条例が制定されることもない。

4) 地方自治法の定める「地方公共団体の組合」には、一部事務組合のほか、広域連合などがある。

5) 一部事務組合自体は、地方公共団体ではないから、その活動について、住民監査請求や住民訴訟が認められることはない。

■解説

【難易度】難しい。

1) 誤り。ここで言う「例」は、一部事務組合ではなく、公法人としての公共組合である。塩野宏『行政法V』第2版(2001年、有斐閣)89頁以下。

2) 誤り。284条2項は、「普通地方公共団体及び特別区は…都道府県の加入するものにあつては総務大臣…の許可を得て、一部事務組合を設けることができる」と規定している。

3) 誤り。一部事務組合には議会の設置が予定されているし(287条1項5号参照)、条例も制定される(287条の3、地方自治法施行令211条の2)。

4) 正しい。地方自治法284条1項。試験当時はこの2つの他、全部事務組合や役場事務組合も地方公共団体の組合とされていたため、本肢は「一部事務組合のほか、広域連合『など』がある」という記述になっているが、今現在は法改正の結果、地方公共団体の組合としては一部事務組合、広域連合の2つしか認められていない

5) 誤り。一部事務組合は地方公共団体である(1条の3第1項、3項)。また肢に述べられている能動的権利については、そもそも一部事務組合に「住民」という概念が存在するかという疑問があるため問題となるが、これらの権利については肯定的にとらえても良いと思われる。前掲塩野123頁参照。

■住民監査請求(2009−24)【条文知識問題】

住民監査請求についての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 住民監査請求をすることができる者は、当該地方公共団体の住民に限られ、それ以外の者が請求することは認められていない。

2) 住民監査請求の対象は、公金の支出などの地方公共団体の職員等の作為に限られ、公金の賦課徴収を怠るなどの不作為は、対象とならない。

3) 地方公共団体の長の行為についての住民監査請求は、長に対してすべきこととなるが、長は、監査委員の意見を聴いて、監査結果を通知すべきこととされている。

4) 住民監査請求によって請求できる内容は、当該行為の差止めなど、法定された4類型に限定されている。

5) 監査結果などに不服がある場合は、請求人に限らず、何人もこれに対する住民訴訟を提起することが認められている。

■解説

【難易度】易しい。基礎的な条文知識があれば解ける問題である。

1) 正しい。242条1項。「普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長…当該普通地方公共団体のこうむった損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる」と規定している。ここでの「住民」は、国籍、年齢、自然人、法人を問わないと解されている。前掲塩野167頁。

2) 誤り。住民監査請求は不作為(242条1項の「怠る事実」という言葉に注意)も対象になる。

3) 誤り。監査請求の相手方は監査委員である。また監査結果の通知を行うのも監査委員である(242条4項)。

4) 誤り。これは住民監査請求ではなく、住民訴訟の説明である(242条の2第1項)。前掲塩野168頁。

5) 誤り。住民訴訟を提起できるのは、住民監査請求をした者に限られている(242条の2第1項)。