■2008年行政書士試験・行政手続法

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■審査基準(2008−11)【条文知識問題】

行政手続法の定める審査基準に関する次のア)−オ)の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア) 審査基準とは、行政庁が不利益処分をするか否かについて判断するために必要な基準である、と定義されている。

イ) 審査基準を設定した場合には、設定後の審査基準を私人に対して不利益になるように変更することは許されない、と定められている。

ウ) 審査基準を定めることは行政庁の努力義務であるが、設定した場合には、これを公にしておく法的義務が課される。

エ) 審査碁準には、法律に基づき処分の要件を定める政省令は含まれない。

オ) 審査基準を設定する際には、どのような内容であっても、行政庁は意見公募手続を実施しなければならない。

1) 1つ
2) 2つ
3) 3つ
4) 4つ
5) 5つ

■解説

【難易度】易しい。

ア) 誤り。審査基準とは、「申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準」(2条8号ロ)である。

イ) 誤り。このような規定はないように思われる。

ウ) 誤り。審査基準の設定、公表共に行政庁の法的義務である(5条1、3項。例外として、行政上特別の支障がある場合公表しなくても良い場合がある)。

エ) 正しい。ここでいう「政省令」は行政手続法上の「法律に基づく命令」(2条8号イ)に該当するが、審査基準はこれとは別物である(2条8号ロ)。

オ) 誤り。39条4項各号に該当する場合は、意見公募手続(39条1項)をしなくても良い。

正解は4)の4つになろう。

■審査基準(2008−12)【条文知識問題】

行政手続法における申請拒否処分の取り扱いについての次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 申請拒否処分は、不利益処分の一種であるから、こうした処分にも、不利益処分に関する規定が適用される。

2) 申請拒否処分についても、相手方の権利に重大な影響を及ぼす許認可等を拒否する場合などには、事前の聴聞が義務付けられている。

3) 申請拒否処分の理由については、理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合には、処分後相当の期間内に示せば足りる。

4) 公にされた標準処理期間を経過しても申請に応答がなされない場合には、申請拒否処分がなされたものとみなされる。

5) 申請拒否処分が許されない場合において、それをなしうるとして申請の取下げを求める行政指導は、違法な行政指導である。

■解説

【難易度】易しい。

1) 誤り。申請拒否処分は、不利益処分には該当しない(2条4号ロ)。

2) 誤り。聴聞手続は、申請手続過程ではなく不利益処分の過程で設けられているものである(13条1項1号)。

3) 誤り。申請により求められた許認可等を拒否しようとする場合、拒否処分と同時に処分の理由を提示する必要がある(8条1項本文)。なお14条1項と比較せよ。

4) 誤り。標準処理期間(6条)の設定は努力義務であり、この期間を徒過することが当然に、行政不服審査法や行政事件訴訟法上の不作為の違法を構成することにはならない。塩野宏『行政法T』第5版(2009年、有斐閣)294頁。櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)202頁。

5) 正しい。これは34条違反になろう。

■届出(2008−13)【条文知識問題】

行政手続法における届出の取り扱いについての次のア)−エ)の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア) 個別法上は届出の語が用いられていても、それが行政手続法上の届出に当たるとは限らない。

イ) 法令に基づき、自己に対して何らかの利益を付与する行政庁の応答を求める行為は、行政手続法上の届出に含まれる。

ウ) 届出書の記載事項に不備がある場合であっても、届出がなされた以上は届出義務は尽くされたことになる。

エ) 地方公共団体の機関が、その固有の資格においてすべきこととされている届出には、行政手続法上の屈出に関する規定の適用はない。

1) ア・イ
2) ア・ウ
3) ア・エ
4) イ・ウ
5) イ・エ

■解説

【難易度】普通。

ア) 正しい。元々個別法における「届出」という言葉の法的意義は一様ではないからである。前掲塩野312頁。なお行政手続法上の届出は、行政庁の側で内容的要件審査権限のないものを指す。2条7号。

イ) 誤り。これは届出ではなく、申請である。2条3号。

ウ) 誤り。届出は、形式上の要件(書式等)が充足しているのであれば、到達時に届出義務が履行されたことになる(37条)。

エ) 正しい。4条1項。

よって正解はア・エの3)になろうか。