■2007年行政書士試験・民法

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■他人物売買、無権代理(2007−27)【条文知識問題】

AがB所有の土地をCに売却した場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1) AがBから土地の所有権を取得してCに移転できない場合、Cは、契約時にAに土地の所有権がないことを知っていたとしても、契約の解除ができる。

2) Cは、悪意または有過失であっても、20年間、所有の意思をもって平穏かつ公然とBの土地を占有継続すれば、Cは土地の所有権を時効取得する。

3) AがBの代理人と称して売却した場合、代理権のないことを知らなかったCがこの売買契約を取り消せば、BはもはやAの代理行為を追認することはできない。

4) AがBの代理人と称して売却した場合、Cは、Aに代理権のないことを過失によって知らなかったとしても、無権代理を行ったAに対して責任を追及できる。

5) 所有権者Bが自らA名義で登記をして虚偽の外形を積極的に作出し、そのまま放置していた場合には、Bは、Aを所有者だと信頼して買ったCに対抗できない。

■解説

【難易度】普通。

1) 正しい。他人物売買(560条)の事案であるが、他人の権利(Bの所有権)をAが取得しCに移転できない場合、Cは、AがBの権利に付き無権利であることを知っていても、AC間の契約を解除できる(561条)。

2) 正しい。取得時効の事案である(162条1項)。

3) 正しい。Aの無権代理行為に付き善意のCは、AC間の契約を取消し得る(115条本文。同条但書に注意)。そして取消した場合AC間の契約は初めからなかったものとなるので、Bがこの契約を追認することはできない。逆に言えば、BがAC間の契約を追認する場合は、Cの取消権行使の前に追認をする必要がある。

4) 誤り。無権代理人Aが自己の代理権の存在を証明できず、かつBの追認を得られない場合、AはCに対し履行又は損害賠償の責任を負うが(117条1項)、この責任はCが悪意有過失の場合は発生しない(117条2項)。

5) 正しい。94条2項類推適用の事案である(最判昭和45年7月24日)。山田−河内−安永−松久『民法T』第3版補訂(2007年、有斐閣)130頁参照。

■時効制度の制度趣旨(2007−28)【理論問題】

時効制度の存在理由については、次のような考え方の対立がある。

A説 「時効とは、取得時効が成立した場合には無権利者であった者に権利を取得させ、消滅時効が成立した場合には真の権利者の権利を消滅させる制度である」。

B説 「時効とは、真に権利を有する者または真に義務を負わない者が、長期間の経過によってそのことを証明できないことにより不利益を被ることのないよう救済するための制度である」。

時効の援用(民法145条)に関する次の説明のうち、最も妥当なものはどれか。

1) 時効の援用は、時効の効果が道徳に反する面があるため、それによる利益を受けるかどうかを当事者の良心にゆだねたものであるとの説明は、A説と矛盾する。

2) 時効の援用は、民事訴訟法上の弁論主義から求められるものであるとの説明は、B説と矛盾する。

3) 時効の援用は、はじめに遡って権利の得喪の効果を生じさせるものであるとの説明は、A説と矛盾する。

4) 時効の援用は、権利関係を証明するための法定証拠を提出する行為であるとの説明は、B説と矛盾しない。

5) 時効の援用は、法定の停止条件であるとの説明は、A説と矛盾する。

■解説

【難易度】難しい。ここで言うA説が実体法説であり、B説が訴訟法説である。前掲山田他219頁以下。

1) 誤り。実体法説、訴訟法説共に145条を良心規定と解する立場(通説)と矛盾しない。

2) 誤り。訴訟法説の中には、援用についての145条を良心規定ではなく、民事訴訟法上の「弁論主義」(判決の基礎をなす事実の確定に必要な資料の提出を当事者の権能及び責任とする考え)の現れと解する立場もある(法定証拠提出説)。

3) 誤り。訴訟法説、実体法説のいずれを前提にしようとも、時効の効果として遡及効が認められている(144条)。

4) 正しい。訴訟法説の1つである、「時効の完成のみで時効の効果は確定的に発生するとし、援用は法定証拠の提出と解する説」(訴訟法説−確定効果説−法定証拠説)の立場である。

5) 誤り。本問については前掲山田他225頁表9参照。

■即時取得の特則(2007−29)【条文知識問題】

美術商Aは、画廊に保管しておいた自己所有の絵画が盗難に遭い、悔しい思いをしていたが、ある日、Bが運営する個人美術館を訪ねた際、そこに盗まれた絵画が掲げられているのを発見した。Aは、その絵画を回収するため次のような行動をとることを考えている。Bに即時取得が成立しているとして、Aの行動に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、Cは商人ではないものとする。

1) Aは、Bから事情を聴いたところ、その絵画は、ある日それまで面識のなかったCがBのもとに持ち込み買取りを求めたものであることがわかった。Aは、買取りの日から2年以内であれば、Bに対して、その絵画の買取請求権を行使することができる。

2) Aは、Bから事情を聴いたところ、その絵画は、ある日それまで面識のなかったCがBのもとに持ち込み買取りを求めたものであることがわかった。Aは、買取りの日から2年以内であれば、Bに対して、保管に要した費用を支払って、その絵画の引渡しを求めることができる。

3) Aは、Bから事情を聴いたところ、その絵画は、ある日それまで面識のなかったCがBのもとに持ち込み買取りを求めたものであることがわかった。Aは、盗難の日から2年以内であれば、Bに対してまったく無償で、その絵画の引渡しを求めることができる。

4) Aは、Bから事情を聴いたところ、その絵画はBがオークションで落札したものであることがわかった。Aは、盗難の日から2年以内であれば、Bに対して保管に要した費用を支払って、その絵画の引渡しを求めることができる。

5) Aは、Bから事情を聴いたところ、その絵画はBがオークションで落札したものであることがわかった。Aは、オークションの日から2年を超えても、Bに対してオークションで落札した金額と保管に要した費用を支払えば、その絵画の引渡しを求めることができる。

■解説

【難易度】難しい。条文問題といえばそれまでだが、事例形式になっている分難しかったと思われる。

1) 誤り。盗品や遺失物に付き、AがBに対し「買取請求権」を行使できるという規定はない。

2) 誤り。Aが引渡を求め得るのは、「買取の日から2年以内」ではなく「盗難又は遺失の時から2年以内」(193条)である。

3) 正しい。

4) 誤り。この場合Aは、Bが絵画取得に要した代価を弁償しなければ、絵画の引渡を請求できない(194条)。

5) 誤り。盗品、遺失物の回復については2年の制限がある。

■先取特権(2007−30)【条文知識問題】

Aは、Bから建物(以下、本件建物という)を賃借し、Aは、その建物内に電気製品(以下、本件動産という)等を備え付けている。Bの先取特権に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア) 本件動産がCの所有物である場合に、本件動産について、Bは、先取特権を即時取得することはできない。

イ) Aが本件動産をCから買ったが、まだCに対して代金の支払いがない場合において、本件動産についてCの先取特権がBの先取特権よりも優先する。

ウ) Aがその所有物である本件動産をDに売って引き渡した場合に、本件動産について、Bは、先取特権を行使することはできない。

エ) Aがその所有物である本件動産をDに売った場合に、Aの取得する売買代金について、Bは、Dの支払い前に差押えをすれば、先取特権を行使することができる。

オ) Aが、Bの承諾を得て、本件建物をEに転貸した場合に、Bの先取特権は、Eの備え付けた動産には及ばない。

1) 1つ

2) 2つ

3) 3つ

4) 4つ

5) 5つ

■解説

【難易度】難しい。本問も条文問題といえばそれまでだが、担保物権の花形でない先取特権からの出題ということと、個数問題かつ事例形式の問題であるということを勘案すると、難しい部類に入る問題であろう。

不動産の賃貸借を理由とした債権を有するBは、Aの動産に付き先取特権が認められる(311条1号。312条以下)。

ア) 誤り。この場合Bが即時取得の要件をみたせば、即時取得の準用が認められる(319条、192条)。

イ) 誤り。ここではBの先取特権とCの先取特権(311条5号)が競合するが、この場合Bの先取特権が優先する(330条1項)。

ウ) 正しい。333条。

エ) 正しい。先取特権には物上代位が認められる(304条1項)。

オ) 誤り。この場合先取特権は転借人Eの動産にも及ぶ(314条)。

よって正解はア)イ)オ)の3つとなろう。

■種類物債権(2007−31)【条文知識問題】

Aが「もち米」を50キロ買う契約をB米店との間で行い、Bによる引渡しの準備がまだ終わっていない場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 引渡し場所についてA・B間で決めていなかった場合に、BはAが取りに来るまで待っていればよい。

2) Bは、目的物が特定されるまでの間は、B米店にある「もち米」の保管について善管注意義務を負うことはない。

3) 目的物が特定される前に、隣家の火災によりB米店の「もち米」がすべて焼失してしまった場合、その焼失はBの責任ではないので、Bは他から「もち米」を再調達して引き渡す義務はない。

4) A・B間で取り決めがなければ、Bは上等な「もち米」を50キロ引き渡さなければならない。

5) 「もち米」50キロの所有権は、目的物が特定される前でも、特約がなければ、A・B間の売買契約をした時に移転する。

■解説

【難易度】易しい。

1) 誤り。種類物たるもち米を引渡す場所つまり弁済の場所は、特約がなければ、債権者(A)の住所となる(持参債務の原則。484条)。

2) 正しい。もち米が特定した後、Bは善監注意義務を負うのである(400条参照)。野村−栗田−池田−永田『民法V』第2版補訂(1999年、有斐閣)17頁。

3) 誤り。もち米が特定していれば、Bはもち米の引渡義務を免れるが、特定していない場合、Bは、同種のもち米が市場に存在する限り、もち米を調達しAに引渡す義務がある。前掲野村他17頁。

4) 誤り。この場合Bは、中等のもち米を引渡す義務を負う(401条1項)。

5) 誤り。種類物債権の場合、特定により初めて所有権が移転する。内田貴『民法V』初版(1996年、東大出版会)19頁。

■債権の実現方法(2007−32)【理論問題】

次のア)−オ)の事例のうち、直接強制の方法によって債務者の債務の強制的実現を図ることができるものは、いくつあるか。

ア) 銀行から500万円を借り入れた企業が、返済の期限が到来したにもかかわらず、返済をしない事例。

イ) 画家が、顧客との間で顧客の似顔絵を描く契約を結んだにもかかわらず、似顔絵を描こうとしない事例。

ウ) カラオケボックスの経営者と周辺住民との間で騒音をめぐって紛争が起こり、夜12時から朝10時まではカラオケボックスの営業をしないとの合意が両者の間で成立したにもかかわらず、夜12時を過ぎてもカラオケボックスが営業を続けている事例。

エ) ある者の名誉を毀損する記事を雑誌に掲載した出版社が、名誉毀損を理由として謝罪広告の掲載を命じる確定判決を受けたにもかかわらず、謝罪広告の掲載をしない事例。

オ) 建物の賃貸借契約が終了し、賃借人が建物を明け渡さなければならないにもかかわらず、賃惜人が建物を占有し続けている事例。

1) 1つ

2) 2つ

3) 3つ

4) 4つ

5) 5つ

■解説

【難易度】難しい。債権総論で扱う債権の実現方法に関する問題であるが、私が過去問を見てきた限りでいうと、ここからの出題は過去1度もないと思われる。そのため本問については、戸惑った方も多いと思われる。また本問は個数問題ということもあり、正解率はあまりよくなかったように思われる。

債権の実現手段としては、直接強制(414条1項)、代替執行(414条2項)、間接強制(民事執行法172条)の3つがある。この3つは、直接強制→代替執行→間接強制の順で行われることになっている(前者ができるなら、後者の方法を用いることができない)。この点については、前掲野村他40−41頁。

ア) 直接強制による。金銭債務は「最も直接強制になじむもの」(前掲野村他38頁)であり、債務者が債権に相当する金銭を持っている場合は、執行官がこれを差押さえ、債権者に交付する(民事執行法122条以下)。金銭がなければ動産、不動産を差押え、現金化することになる(43条、122条以下)。

イ) いづれの手段にもよることができない。直接強制として、画家に無理やり書かせるわけにもいかず、また当該画家自身が書かなければ意味がないので代替執行もできない。そして絵を描くという行為は債務者の自由意思により実現されるべき性質を有するものだから、間接強制の方法も用いることができない。よってこの場合は、債務不履行を理由とする金銭賠償による他ないことになる。前掲山田他36−37頁、内田113頁。

ウ) 間接強制による。このような不作為債務の実現については、間接強制よるのが原則である。前掲野村他37頁。なお同40頁参照。

エ) 代替執行による。憲法上思想、良心の自由との関係で問題のある謝罪広告であるが、これは代替執行による実現が実務上定着している。前掲野村他41頁。

オ) 直接強制による。民執法168条1項。前掲野村他38頁。

よって正解はア)オ)の2つとなろう。

■契約の申込、承諾(2007−33)【条文知識問題】

AはBから中古車を購入する交渉を進めていたが、購入条件についてほぼ折り合いがついたので、Bに対して書面を郵送して購入の申込みの意思表示を行った。Aは、その際、承諾の意思表示について「8月末日まで」と期間を定めて申し入れていたが、その後、契約の成否について疑問が生じ、知り合いの法律家Cに相談を持ちかけた。次のア)−オ)のAの質問のうち、Cが「はい、そのとおりです。」と答えるべきものの組合せは、1)−5)のどれか。

ア) 「私は、申込みの書面を発送した直後に気が変わり、今は別の車を買いたいと思っています。Bが承諾の意思表示をする前に申込みを撤回すれば、契約は成立しなかったということになるでしょうか」。

イ) 「Bには、『8月末日までにご返事をいただきたい』と申し入れていたのですが、Bの承諾の意思表示が私に到着したのは9月2日でした。消印を見るとBはそれを9月1日に発送したことがわかりました。そこで私は、これをBから新たな申込みがなされたものとみなして承諾したのですが、契約は成立したと考えてよいでしょうか」。

ウ) 「Bからは8月末を過ぎても何の通知もありませんでしたが、期間を過ぎた以上、契約は成立したと考えるべきでしょうか。実は最近もっとよい車を見つけたので、そちらを買いたいと思っているのですが」。

エ) 「Bは、『売ってもよいが、代金は車の引渡しと同時に一括して支払ってほしい』といってきました。Bが売るといった以上、契約は成立したのでしょうが、代金一括払いの契約が成立したということになるのでしょうか。実は私は分割払いを申し入れていたのですが」。

オ) 「Bの承諾の通知は8月28日に郵送されてきました。私の不在中に配偶者がそれを受け取り私のひきだしにしまい込みましたが、そのことを私に告げるのをうっかり忘れていましたので、私がその通知に気がついたのは9月20日になってからでした。私は、Bが車を売ってくれないものと思って落胆し、すでに別の車を購入してしまいました。もう、Bの車は要らないのですが、それでもBとの売買契約は成立したのでしょうか」。

1) ア)、ウ)

2) イ)、エ)

3) イ)、オ)

4) ウ)、エ)

5) エ)、オ)

■解説

【難易度】やや難。本問は条文知識問題だが、事例形式ということと、総則と契約法双方を整理しておかない解けない問題なので、問題のレヴェルは若干難しいものになっているといえよう。

なお以下「答えるべきである」というのは、CがAの質問に対し、「はい、そのとおりです。」と答えるべきことを意味する。

ア) 答えるべきではない。そもそもAの意思表示がBに到達しているか否かが肢からは不明なので分けて考える必要がある。@まず到達していない場合だが、Aの申込の意思表示は、Bに到達して初めて効力が発生するので(97条1項。到達主義)、申込の意思表示がBに到達する前に、Aが当該申込を撤回する意思表示をBに到達させることができれば、Aの申込は効力を失う。
A次にAの申込がBに到達していた場合だが、Aはその申込の意思表示を撤回することができない。承諾の期間を定めてした契約の申込みは、撤回することができない(521条1項)からである。本肢は2つの答えが出ると思うので、ひとまず正誤判断を保留しておくべきであろうか。

イ) 答えるべきである。申込者が承諾期間を定めてした契約の申込は、その承諾期間内に承諾の意思表示が申込者に届かなければ、契約は成立しない(521条2項)。但しAは、Bの承諾期間経過後に到達した承諾の意思表示を新たな契約の申込とみなし得るので(523条)、Aがこの新たな申込に承諾をすれば、契約は成立する。

ウ) 答えるべきではない。BがAに承諾の意思表示を期間内に到達させていない以上、Aの申込は効力を失うからである(521条2項)。

エ) 答えるべきではない。Aの申込は分割払いを前提にしており、それに対応するBの承諾は、一括払いを前提にしている。このようなAの申込に、変更を加えたBの承諾は、Aの申込を拒絶しBが新たな申込をしているとみなされる(528条)ので、AがこのBの申込を承諾しない限り、契約は成立しない。

オ) 答えるべきである。契約承諾の意思表示については発信主義を採用するが(526条1項)、521条2項により期間内に承諾の意思表示がAに到達しなければ、期間内にBが承諾の意思表示を発信したとしても契約は成立しない。ここでの問題はオ)のような事例の場合、期間内に承諾の意思表示が到達したと言えるか否かである。この点につき判例は、Bの承諾の意思表示は、Aの支配圏内に到達していればそれで足りる(最判昭和36年4月20日)としているので、Bによる承諾意思表示が期間内にAの配偶者に到達したことを以て、AB間の売買契約は成立したことになる。

よって答えるべきと確実に言えるのは、イ)オ)の3)となろう。本問に付き藤岡−磯村−浦川−松本『民法W』第3版補訂(2009年、有斐閣)19−23頁。

■相続法(2007−35)【条文知識問題】

Aが死亡した場合の法定相続に関する次のア)−オ)の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。なお、Aの死亡時には、配偶者B、Bとの間の子CおよびAの母Dがいるものとする。

ア) Aの死亡と近接した時にCも死亡したが、CがAの死亡後もなお生存していたことが明らかでない場合には、反対の証明がなされない限り、Aを相続するのはBおよびDである。

イ) Aが死亡した時点でCがまだ胎児であった場合には、Aを相続するのはBおよびDであるが、その後にCが生まれてきたならば、CもBおよびDとともにAを相続する。

ウ) Aにさらに養子Eがいる場合には、Aを相続するのはB、CおよびEであり、Eの相続分はCの相続分に等しい。

エ) Aが自己に対する虐待を理由に家庭裁判所にCの廃除を請求して、家庭裁判所がこれを認めた場合には、たとえCに子Fがいたとしても、FはCを代襲してAの相続人となることはできず、Aを相続するのはBおよびDである。

オ) Cが相続の放棄をした場合において、Cに子Fがいるときには、Aを相続するのはBだけでなく、FもCを代襲してAの相続人となる。

1) ア)、ウ)

2) ア)、エ)

3) イ)、エ)

4) イ)、オ)

5) ウ)、オ)

■解説

【難易度】易しい。

ア) 正しい。同時死亡の推定(32条の2)の事案であるが、Aについての相続は子供Cがいないものと考えるので、配偶者B母DがAを相続する(890条、889条1号)。

イ) 誤り。胎児は相続については生まれたものとみなされるので、CにもAを相続する権利を有する(886条1項)。

ウ) 正しい。Aを相続するのはBCEであり(887条、890条)、配偶者BがAについて2分の1相続し、CEでAを4分の1ずつ相続する(900条1号、4号。Eについては727、809条参照)。

エ) 誤り。Cが相続から廃除されても、Cの子Fは代襲してAの相続人になることはできる(887条2項)。

オ) 誤り。相続の放棄は代襲の要因にならない(887条参照)。よってこの場合はBDでAを相続することになる。

よって本問の正解は、ア、ウの1)となる。本問については、内田貴『民法T』第2版(1999年、東大出版会)98−99頁、佐藤−伊藤−右近『民法X』第2版補訂(2000年、有斐閣)138頁以下参照。