■2007年行政書士試験・基礎法学1

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■法格言(2007−2)【理論問題】

法格言に関する次のア)−オ)の記述のうち、(A)−(E)に当てはまる語句として、最も適切な組合せはどれか。

ア) 法実証主義の考え方によれば、「(A)もまた法である。」が、自然法思想によれば、「(A)は法ではない。」ことになる。

イ) 時効の制度は、「(B)の上に眠る者は、保護されない。」という法格言から説明することもできる。

ウ) 「(C)は証拠の女王である。」という法格言があるが、刑事訴訟において、(C)が被告人に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とすることはできない。

エ) 事実の不知は許されるが、(D)の不知は許されない。」という法格言があるが、責任主義の観点から、この法格言がそのまま通用する訳ではない。

オ) 「(E)は遵守されなければならない。」という法格言は、(E)の拘束力の根拠とされることがある。

A/B/C/D/E
1) 道徳/法/物証/倫理/法

2) 悪法/権利/自白/常識/慣習

3) 道徳/権利/物証/倫理/契約

4) 悪法/権利/自白/法/契約

5) 倫理/法/証言/法/慣習

■解説

【難易度】易しい。予備校本のみで勉強した人にとっては「面を食らわされる」問題と言えよう。ただ問題自体は、かなり易しいものであり、また肢をうまく使えば正解にたどりつくことは可能だろう。

ア) 「(A悪法)もまた法である」。法実証主義は、法学を「論理的・形式的に秩序づけ展開」し、法内容を問わないという立場をとるので、法内容が正義に合致しない悪法も法という形式があれば法と考える。一方近代立憲主義と結びつく自然法思想では、法という形式があっても内容が正義に反するような場合、そのような悪法はそもそも法ではない、という事になる。芦部信喜『憲法学T』(有斐閣、1992年)6頁以下参照。

イ) 「(B権利)の上に眠る者は、保護されない」これは。民法における時効の制度趣旨としてよく言及される。内田貴『民法T』第2版(東大出版会、1999年)290頁。

ウ) 「(C自白)は証拠の女王である」。憲法38条3項を思い出せばこの(C)は埋められたはずである。なお(C)の穴埋めさえできれば、正解の選択肢を2)か4)に絞り込むことができる。

エ) 「(D)の不知は許されない」。刑法38条3項の議論(違法性の錯誤)を知っている人にとっては容易だったと思うが、そうでない人にとっては、何の事か分からなかったかもしれない。

オ) 「(E契約)は遵守されなければならない」が入る。前掲内田35頁参照。よって正解は4)となろう。