■2007年行政書士試験・地方自治法

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■条例(2007−21)

条例に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 自治体の処理する事務のうち、自治事務に関しては法律で内容的な定めを設けることはできず、このような定めは法定受託事務に限定される。

2) 自治事務に関する条例は法律の個別授権を受けることなく定めることができるが、私人の権利義務に直接かかわる規定は、必ず法律の個別授権を受けなければならない。

3) 地方自治法14条に基づく地方議会の条例制定権限は、当該事務が自治事務である場合のみならず、法定受託事務である場合にも及ぶ。

4) 法律の規定を具体化するのは、地方公共団体の機関が定める規則等であり、具体化の規定が条例に置かれることはない。

5) 法律により規制の対象とされている事項について、法律の明示の授権がなくとも、規制の適用を除外する特例措置を条例により設けることは可能である。

■解説

1) 誤り。このような制限はないように思われる。

2) 誤り。私人の権利義務に直接かかわる規定についても、法律の個別授権を必要とせず条例で定めうる(参照、奈良県ため池条例事件〔最判昭和38年6月26日〕)。塩野宏『行政法V』第2版(2001年、有斐閣)144頁。

3) 正しい。前掲塩野143−144頁。

4) 誤り。「条例のなかには、旅館業法(4条)に基づく条例のように法律の委任によって制定されるものもある」(前掲塩野148頁)。

5) 誤り。

■条例の制定改廃請求権(2007−22)

条例の制定改廃請求権に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1) 地方自治法上、条例の制定改廃請求権は、普通地方公共団体の議会の議員および長の選挙権を有する住民に限られず、選挙権を有さない外国人に対しても認められている。

2) 住民は、その属する普通地方公共団体のあらゆる条例について、条例制定改廃請求権を行使することができる。

3) 条例の制定改廃の請求を行う場合については、住民は一人でも請求をなすことができる。

4) 条例の制定改廃の請求は、普通地方公共団体の長に対して行われ、長から議会に対して付議される。

5) 条例の制定改廃請求が行われた後、その内容について住民投票が行われ、賛成が多数であれば当該条例の制定改廃が行われる。

■解説

1) 誤り。直接請求の主体は、日本国民である住民であり、具体的には選挙権を有する者である。前掲塩野164頁。地方自治法12、13条参照。

2) 誤り。地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関する条例の制定改廃請求は、することができない(12条1項の括弧書参照)。

3) 誤り。条例の制定改廃の請求に際しては、当該普通地方公共団体の有権者総数の50分の1以上の者の連署を要する(74条1項)。

4) 正しい。74条1項、3項参照。

5) 誤り。条例の制定改廃請求の内容については住民投票ではなく、議会が採否を決めることになる(74条3項)。議会の解散や、長、議員の解職請求の場合とこの点で異なる(78、83条)。前掲塩野164−165頁参照。

■普通地方公共団体の議会(2007−23)

普通地方公共団体の議会に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 予算を定めることは議会の議決事件とされているが、議会は、予算について増額して議決することはできない。

2) 議会の議決がその権限を超え、または法令もしくは会議規則に違反すると認めるとき、長は、高等裁判所に当該議決の取消しを求めて出訴しなければならない。

3) 議会の解散は、議会が長の不信任の議決を行ったとき、または住民から解散請求がなされたときにありうるが、議会が自らの議決に基づき自主解散することはできない。

4) 私法上の一契約の締結は、非権力的行為であるので、普通地方公共団体の契約締結は議会の議決事件には属さない。

5) 議会の議長および議員は、自己の一身上に関する事件または自己の従事する業務に直接関係のある事件については、原則として、その議事に参与することができない。

■解説

1) 誤り。前半部分は正しいが(96条1項2号)、増額議決ができないとする点は誤りである(97条2項本文)。

2) 誤り。この場合長は、理由を示した上で議決を再議に付さねばならない(特別拒否権、176条4項)。また出訴については「高等」裁判所に取消を求めなければならない、というものではない(176条7項参照)。前掲塩野158−159頁参照。

3) 誤り。やや難解な肢である。自主解散については、地方公共団体の議会の解散に関する特例法2条によって認められている。

4) 誤り。契約締結行為が、議会の議決事件に属する場合もある(96条1項5号)。

5) 正しい。117条本文。

■地方公共団体の契約(2007−24)

地方自治法の定める地方公共団体の契約に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1) 指名競争入札とは、資産、信用その他についてあらかじめ適切と認める特定多数の者を通知によって指名し、入札により競争させる方法であり、政令に特段の定めのない場合にはこの方法によるものとされる。

2) 随意契約とは、競争の方法によらないで、特定の相手方を任意に選択して締結する方法であり、政令で定められる場合に該当するときに限り、この方法によることができる。

3) 予算の執行としての契約締結行為の効力は、原則として当該予算の会計年度内にとどまるが、電気の供給や水道の供給のように、年度を超えて長期の契約を締結することも許される場合がある。

4) せり売りとは、入札の方法によらないで、不特定多数の者を口頭または挙手によって競争させる方法であり、遺失物等の売り払いのような場合にこの方法がとられることもある。

5) 一般競争入札とは、不特定多数の者を入札に参加させ契約の相手方とするために競争させる方法であり、地方公共団体にとって有利な相手方を広く募ることができるという長所があるとされる。

■解説

1) 誤り。よってこれが正解。自治体や国の契約には「一般競争入札の原則」がある(兼子仁『新地方自治法』〔1999年、岩波書店〕88頁)。234条2項参照。よって指名競争入札を原則的な契約とする後半部分の記述が誤りである。

2) 正しい。234条2項、前掲兼子88−89頁参照。

3) 正しい。234条の3、214条。

4) 正しい。234条1項、地方自治法施行令167条の3参照。。

5) 正しい。一般競争入札原則の趣旨のひとつとして、特定業者と地方公共団体との癒着防止があげられる。前掲兼子88頁参照。

なお本問については、地方自治法施行令167条以下参照。