■2007年行政書士試験・商法

行政書士合格講座行政書士試験の過去問分析>2007年行政書士試験・商法

このサイトについて・プライバシーポリシー 憲法学の窓・公務員試験対策室 Site Map

■会社の設立(2007−36)

ア) 会社の設立に際しては、発起設立または募集設立のいずれの方法による場合も、創立総会を開催しなければならない。

イ) 会社の設立に際して現物出資を行うことができるのは発起人のみであるが、財産引受については、発起人以外の者もその相手方となることができる。

ウ) 設立時募集株式の引受人が払込みをせず、当該引受人が失権した場合には、発起人は、自らその株式を引き受けなければならない。

エ) 設立時取締役は、その選任の日から会社の設立の登記がなされるまでの期間において、発起人に代わって設立中の会社のすべての業務を行う権限を有する。

オ) 会社の設立手続が行われたにもかかわらず会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、会社の設立に関して支出した費用を負担する。

1) ア・エ
2) ア・オ
3) イ・ウ
4) イ・オ
5) ウ・エ

■解説

ア) 誤り。設立総会を開催しなければならないのは、募集設立の場合である(会社法65条1項)。神田秀樹『会社法』第11版(2009年、弘文堂)50頁。

イ) 正しい。法34条1項、63条1項。前掲神田44頁参照。

ウ) 誤り。この場合は法63条3項が適用される。この場合、「他の出資者により出資された財産の価額が定款で定めた『設立に際して出資される財産の価額またはその最低限』をみたしていれば」、設立手続を続行できるが、そうでなければ続行できないことになる(前掲神田48頁)。

エ) 誤り。設立時取締役(法38条1項)の権限は、設立事項の調査(出資の履行の完了、設立手続の法令、定款違反の有無)の調査(法46条1項、93条1項、94条)といったものであり、「すべて」の業務を行うわけではない。前掲神田50頁、なお48頁参照。

オ) 正しい。法56条。前掲神田58頁。

よって正解は4)イ・オになろう。

■株式買取請求権(2007−37)

株式買取請求権に関する次のア)〜オ)の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

ア) 単元未満株式を有する者は、投下資本の回収を保証するため、いつでも会社に対して単元未満株式の買取りを請求できる。

イ) 議決権制限株式を発行する旨の定款変更決議に反対する株主は、株式買取請求権を行使することができる。

ウ) 株主総会決議に反対する株主が買取請求権を行使するには、原則として、その決議に先立ち反対の旨を会社に通知し、かつ、その総会において反対しなければならない。

エ) 株式の買取りを会社に対して請求した株主であっても、会社の承諾があれば、買取請求を撤回することができる。

オ) 合併承認決議に反対する株主からの買取請求により支払った金額が分配可能額を超えた場合には、取締役はその超過額について責任を負う。

1) ア・ウ
2) ア・オ
3) イ・エ
4) イ・オ
5) ウ・エ

■解説

ア) 正しい。法192条1項。前掲神田118頁。

イ) 誤り。本肢の場合に株式買取請求権は認められていない。なお前掲神田176頁以下参照。

ウ) 正しい。法116条2項1号イ。なお前掲神田176頁以下参照。

エ) 正しい。法116条6項。なお前掲神田176頁以下参照。

オ) 誤り。法464条1項を素材にした問題である。同条の責任は、法116条1項を前提にしているが、法116条1項は合併については規定していないので、法464条1項は本肢の場合適用がない。前掲神田274頁。

よって正解は4)となろう。

■株式会社の機関(2007−38)

株式会社の機関等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1) 株主総会の招集手続および決議方法を調査するため、総会検査役が選任されることがある。

2) 取締役が6名以上で、1名以上の社外取締役がいる会社は、特別取締役を取締役会決議で選定することができる。

3) 委員会設置会社の業務を執行し代表権を有する執行役は、指名委員会が指名する候補者の中から株主総会で選任される。

4) 会計参与は、会計監査人とは異なる会社役員であり、取締役と共同して計算書類等を作成する。

5) 取締役会または監査役を設置していない株式会社も設立することができる。

■解説

1) 正しい。経営権に関する争いで株主総会が混乱する場合(前掲神田175−176頁)等を想定して設けられている。法306条1項

2) 正しい。法373条1項。制度趣旨については前掲神田197−198頁。

3) 誤り。執行役は、取締役会決議によって選任される。法402条2項。前掲神田226頁。

4) 正しい。会計参与は会社「役員であり」(法329条1項括弧書参照)、本肢で述べられた計算書類などの作成権限を有する(法374条1項)。前掲神田184−185、213頁

5) 正しい。法326条2項。前掲神田161頁以下参照。

■場屋営業等(2007−40)

場屋営業等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1) 商人がその営業の範囲内において物品の寄託を受けた場合には、報酬を受けないときであっても、善良な管理者の注意をもってその物品を保管する義務を負う。

2) 場屋の主人は、客より寄託を受けた物品が滅失または毀損した場合には、それが不可抗力によることを証明しない限り、損害賠償の責任を免れることができない。

3) 場屋の主人は、客から高価品の寄託を受けた場合には、客がその種類および価額を明告して寄託したときでなければ、その物品の滅失または毀損によって生じた損害を賠償する責任を負わない。

4) 客が物品を特に寄託することなく場屋中に携帯した場合において、場屋の主人または使用人の不注意によってその物品が滅失または毀損したときは、場屋の主人は、損害賠償の責任を負う。

5) 客が携帯する物品について責任を負わない旨を告示した場合には、場屋の主人は、損害賠償の責任を負うことはない。

■解説

客の来集を目的とする場屋(じょうおく)営業(ホテル、レストラン等)に関係する問題である。

1) 正しい。商法593条。

2) 正しい。法594条1項。

3) 正しい。法595条。

4) 正しい。法594条2項。

5) 誤り。この場合でも、場屋の主人は法594条1項2項の責任を負う事になる(法594条3項)。