■2006年行政書士試験・商法

行政書士合格講座行政書士試験の過去問分析>2006年行政書士試験・商法

このサイトについて・プライバシーポリシー 憲法学の窓・公務員試験対策室 Site Map

■商業使用人(2006−36)

商業使用人に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア) 支配人は、営業主に代わってその営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をなす権限を有し、支配人の代理権に加えた制限は、それを登記した場合に、これをもって善意の第三者に対抗することができる。

イ) 支配人は、営業主の許諾がなければ自ら営業を行うことができないが、営業主の許諾がなくとも自己または第三者のために営業主の営業の部類に属する取引を行うことができる。

ウ) 本店または支店の営業の主任者であることを示すべき名称を付した使用人は、相手方が悪意であった場合を除いて、本店または支店の営業に関する一切の裁判外の行為をなす権限を有するものとみなされる。

エ) 営業に関するある種類または特定の事項の委任を受けた使用人は、その事項に関して一切の裁判外の行為をなす権限を有し、当該使用人の代理権に加えた制限は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

オ) 物品の販売を目的とする店舖の使用人は、相手方が悪意であった場合も、その店舖にある物品の販売に関する権限を有するものとみなされる。

1) ア・イ

2) ア・オ

3) イ・ウ

4) ウ・エ

5) エ・オ

■解説

ア) 誤り。支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができないのである(商法21条3項)。前半部分に付き同条1項参照。

イ) 誤り。後半部分に出てくる取引も営業主の許可がなければできない(23条1項1号2号)。

ウ) 正しい。24条。表見支配人に関するものである。

エ) 正しい。25条。

オ) 誤り。26条但書により、相手方が悪意の場合同条本文の擬制ははたらかない。

よって正解は4)ウ・エになろう。

■商行為(2006−37)

商行為に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

ア) 商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを受け、申込みとともに受け取った物品がある場合において、その申込みを拒絶するときは、相当の期間内にその物品を相手方の費用により返還しなければならない。

イ) 数人がその一人または全員のために商行為である行為によって債務を負担した場合は、その債務は各自が連帯してこれを負担する。

ウ) 商人がその営業の範囲内において他人のために行為をした場合は、報酬に関する契約がなくとも、相当の報酬を請求することができる。

エ) 当事者の一方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、債権の弁済を受けるまで、債権者が占有する債務者所有の物または有価証券を留置することができる。

オ) 商行為によって生じた債権を担保するために設定した質権については、質権者に弁済として質物の所有権を取得させることを契約で定めることができる。

1) ア・ウ

2) ア・エ

3) イ・エ

4) イ・オ

5) ウ・オ

■解説

ア) 誤り。これはおそらく商法510条本文を下にした引っかけなのかもしれない。正しくは「商人がその営業の部類に属する契約の申込みを受けた場合において、その申込みとともに受け取った物品があるときは、その申込みを拒絶したときであっても、申込者の費用をもってその物品を保管しなければならない」、である。

イ) 正しい。511条1項。

ウ) 正しい。512条。民法の委任(648条1項)と異なる。内田貴「民法U債権各論」(1997年、東大出版会)273頁。

エ) 誤り。521条本文。「当事者の一方のために商行為となる行為」ではなく、「商人間においてその双方のために商行為となる行為」、である。なお商事留置権は、民法上の留置権(295条1項)と異なり、被担保債権に付き物との牽連性が要求されない。内田貴「民法V債権総論・担保物権」初版(1996年、東大出版会)456頁。

オ) 正しい。515条。民法349条「流質契約の禁止」の例外である。前掲内田・民法V445頁。

よって正解は2)ア・エになろう。