■2005年行政書士試験・基礎法学1

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■裁判制度(2005−1)【理論問題】

裁判に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア) 裁判所は、法令適用の前提となる事実の存否が確定できない場合であっても、裁判を拒否することはできない。

イ) 最高裁判所は、憲法その他法令の解釈適用に関して、意見が前に最高裁判所のした裁判または大審院のした裁判と異なるときには、大法廷で裁判を行わなければならない。

ウ) ある事件について刑事裁判と民事裁判が行われる場合には、それぞれの裁判において当該事件に関して異なる事実認定がなされることがある。

エ) 裁判は法を基準として行われるが、調停などの裁判以外の紛争解決方法においては、法の基準によらずに紛争の解決を行うことができる。

オ) 上告審の裁判は、法律上の問題を審理する法律審であることから、上告審の裁判において事実認定が問題となることはない。

1) 1つ
2) 2つ
3) 3つ
4) 4つ
5) 5つ

■解説

【難易度】やや難。

ア) 正しい。ある事実の存否が不明でも裁判を拒否することはできない。この場合は、ある事実につき証明責任を負う者が不利益(証明した場合に受けることのできる法的利益を受けられない)を受けることになる。小島武司『プレップ新民事訴訟法』(1999年、弘文堂)227頁。

イ) 誤り。裁判所法10条3号。「憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき」は、大法廷で裁判をしなければならない。

ウ) 正しい。各事件の審理で持ち出された証拠につき、どのような心証を取るかは裁判官に任されている(自由心証主義)。よって民事と刑事事件で持ち出された証拠から認定される事実は食い違うということが起こり得る。民訴法247条、刑訴法318条参照。なお団藤重光『法学の基礎』(1996年、有斐閣)213頁以下参照。

エ) 正しい。民事調停法1条参照。前掲団藤194頁参照。

オ) 誤り。刑事訴訟法は、上告裁判所が判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があると認める場合、原判決を破棄できるとしている(刑訴法411条3号)。よって上告審の裁判で事実認定が問題にならないとは言い切れない。

正解はイオの2つとなろう。