■2005年行政書士試験・地方自治法

行政書士合格講座行政書士試験の過去問分析>2005年行政書士試験・地方自治法

このサイトについて・プライバシーポリシー 憲法学の窓・公務員試験対策室 Site Map

■地方議会(2005−17)

普通地方公共団体の議会(以下、「地方議会」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか(法改正あり)。

1) 地方議会の議員の職務は、戦前は報酬なしの名誉職とされていたが、現在は、条例の定めにより、報酬および期末手当の支給と費用弁償を受けることができる。

2) 地方議会の議員定数は条例で定めるが、各地方自治体が最も適正と考える議員定数を自由に定めることができるわけではなく、都道府県と市町村長の人口規模に応じて法律に定める範囲内でなければならない。

3) 地方議会の議員は、衆議院議員・参議院議員を兼職することができず、また他の地方公共団体の議員や、地方公共団体の常勤ないし短時間勤務の職員を兼ねることも禁止されている。

4) 地方自治法は、町村に限ってではあるが、議会をおかずに、これにかえて、条例により選挙権者による総会を設置することを認めている。

5) 地方自治法の規定する議会の議決事項は限定列挙と解されているため、地方自治体が条例によって、自治事務につき議会の議決事項を追加することは認められていない。

■解説

1) 正しい。地方自治法203条1−3項。

2) 正しい。90条1項、91条1項。
本試験後の法改正により、人口に応じた議会議員定数の上限を定める規定が廃止された(上限がなくなり定数は自治体が自由に定め得ることになった)ので、「各地方自治体が最も適正と考える議員定数を自由に定めることができるわけではなく、都道府県と市町村長の人口規模に応じて法律に定める範囲内でなければならない」、という点は誤りとなっている。議員定数を条例で定めるという点は正しい。

3) 正しい。92条1、2項。

4) 正しい。94条。

5) 誤り。96条2項。

■監査委員制度(2005−18)

地方公共団体における監査制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 監査委員の権限は、地方公共団体の事務のうち、いわゆる自治事務を対象とするものであって、法律に特別の定めがない限り、法定受託事務には及ばない。

2) 監査委員の権限は、地方公共団体の財務に関する事務執行およびその経営に関する事業の管理などいわゆる「財務監査」に限られ、一般行政事務に関するいわゆる「事務監査」にまで及ぶわけではない。

3) 監査委員には複数の委員が選任されるが、他の行政委員会のようにその職務を合議機関として執行するのではなく、各監査委員が独任機関として、独立して権限を行使するものとされている。

4) いわゆる外部監査制度の導入により、地方公共団体は、公認会計士、弁護士など、外部の一定の資格ある者(外部監査人)との外部監査契約に基づいて、その者の監査を受ける場合は、従来の監査委員をおかないことができることになった。

5) 住民は、有権者の50分の1の連署をもって監査委員に事務の監査を求める直接請求をした場合で、監査委員の監査結果に不服があるときは、さらに裁判所に対し住民訴訟を提起することができる。

■解説

1) 誤り。監査委員は法定受託事務につき全く監査できないのではない。法定受託事務のうち、「国の安全を害するおそれがあることその他の事由により監査委員の監査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるもの」が監査の対象から例外的に除外されているに過ぎない(199条2項)。

2) 誤り。監査委員は、普通地方公共団体の事務の執行に関して監査を行うこともできる(199条2項)。

3) 正しい。委員会は合議制を取るが、監査委員は独任制の機関であり、単独で行動できる。石川敏行『はじめて学ぶプロゼミ行政法』改訂版(2000年、日本評論社)72頁。

4) 誤り。外部監査についての説明は正しい(252条の27参照)。但し外部監査制度を導入した場合であっても、そもそも180条の5第4号が監査委員の設置を義務付けている以上、これを省略することはできない。

5) 誤り。住民訴訟を提起できるのは、(直接請求制度としての監査請求〔75条〕とは別に設けられている)住民監査請求をした場合に限られる(242の2第1項参照)。

■公の施設(2005−19)

地方自治法上の「公の施設」に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア) 公の施設とは、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供する施設を指し、法令に特別の定めのあるものを除いて、その設置、管理については、かならず条例の根拠を要する。

イ) 公の施設は、相手方自治体との協議が整いさえすれば、当該施設を設置・管理する自治体の区域外であっても、これを設置することができる。

ウ) 自治体は、公の施設のうち条例で定める特に重要なものについてこれを廃止し、または特定の者に長期の独占的な使用を認めようとするときは、市町村にあっては都道府県知事の、都道府県にあっては総務大臣の認可を受けなければならない。

エ) 自治体は、公の施設の設置目的を効果的に達成するために必要があると認めるときには、自ら当該施設を管理するのではなく、法人その他の団体であって当該自治体が指定する者(指定管理者)に、その管理を行わせることができる。

オ) 自治体の長がした公の施設を利用する権利に関する処分に不服がある者は、市町村長がした処分については都道府県知事に、都道府県知事のした処分については総務大臣に審査請求をすることができる。

1) 1つ

2) 2つ

3) 3つ

4) 4つ

5) 5つ

■解説

ア) 正しい。公の施設にの定義につき244条1項。設置、管理に関する条例の根拠につき244の2第1項。公の施設とは、自治体が作るコミュニティ・センターや公民館などを指す。また設置管理につき条例の根拠を要するのは、公の施設が住民の施設利用権と関係するからである。兼子仁『新地方自治法』(1999年、岩波書店)94−95頁参照。

イ) 誤り。公の施設を区域外に設置することができるという点は正しい(244条の3第1項)。しかしこの場合、関係普通地方公共団体の議会の議決を必要とする(244の3第3項)。

ウ) 誤り。244条の2第2項の問題である。「普通地方公共団体は、条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止し、又は条例で定める長期かつ独占的な利用をさせようとするときは、議会において出席議員の3分の2以上の者の同意を得なければならない」、が正しい。

エ) 正しい。244条の2第3項。エ)には同条項に規定されている「条例の定めるところにより」という文言が抜けているが、一応正解としておく。

オ) 正しい。244条の4第1項。

よって正解は2つとなろう。