■2004年行政書士試験・地方自治法

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■地方公共団体の種類(2004−17)

地方公共団体の種類に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか(法改正あり)。

ア) 東京都の特別区は特別地方公共団体の一種であるが、東京都自体は、普通地方公共団体である。

イ) 「区」という名称が付される地方行政組織のうち、特別区と財産区は地方公共団体であるが、行政区は地方公共団体ではない。

ウ) 「地方公共団体の組合」は、普通地方公共団体だけで構成されている場合は、普通地方公共団体として扱われる。

エ) 「政令指定都市」「中核市」「特例市」は、いずれも「市」の特例として設けられているものにすぎないから、特別地方公共団体ではない。

オ) 特別地方公共団体には、かつて「特別市」と「地方開発事業団」が含まれていたが、いずれも適用例がなかったため廃止された。

1) ア)、ウ)

2) イ)、オ)

3) イ)、エ)

4) ア)、エ)

5) ウ)、オ)

■解説

ア) 正しい。特別区につき地方自治法1条の3第3項、都につき同条2項。

イ) 正しい。財産区につき1条の3項。指定都市における行政区(252条の20)は、地方公共団体の行政区画の1つに過ぎない。石川敏行『はじめて学ぶプロゼミ行政法』改訂版(2000年、日本評論社)64頁。

ウ) 誤り。地方公共団体の組合は、特別地方公共団体とされている。1条の3第3項。

エ) 正しい。地方自治法1条の3第3項参照。

オ) 誤り。地方開発事業団は特別地方公共団体である。よって正解はウ)、オ)の5)である。
試験当時、特別地方公共団体として特別区、組合、財産区、地方開発事業団が規定されていたが、その後の改正により地方開発事業団は廃止された

■地方自治法上の住民概念(2004−18)

地方自治法上で用いられている「住民」という概念の範囲を説明した次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 住民とは、自然人を対象とした概念であるから、法人は住民として扱われることはない。

2) 住民とは、日本国民を対象とする概念であるから、外国人が住民として扱われることはない。

3) 住民とは、地方公共団体の区域内に住所を有することを前提として成立する概念であるから、住民基本台帳法上の登録をしない者は住民として扱われることはない。

4) 住民自治の具体化である直接請求制度は、当該地方公共団体の議会・長の選挙権を有する日本国民たる住民でなければ利用することができない。

5) 納税者訴訟とも呼ばれる住民訴訟は、前年度の住民税の納税実績のある住民でなければ提起することができない。

■解説

1) 誤り。法人も住民である。塩野宏『行政法V』第2版(2001年、有斐閣)112頁。 塩野・行政法V112頁。

2) 誤り。地方自治法上、住民たるの要件には国籍条項がない。よって外国人も住民として扱われる。前掲塩野112頁。

3) 誤り。住民となることにつき特別の行政手続は要求されていない。前掲塩野112頁。なお、住民基本台帳法5条以下参照。

4) 正しい。外国人には直接請求権は保障されていない。前掲塩野164頁。

5) 誤り。住民訴訟を提起しうる「住民」については、本肢のような制限はない。地方自治法242条の2は、住民訴訟の主体につき、単に「住民」としか規定していない。なお、本問全体につき10条参照。

■議会と長の関係(2004−19)

地方公共団体の議会と長の関係に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか(法改正あり)。

1) 議会における条例の制定改廃または予算に関する議決について異議があるときは、長はこれを再議に付すことができる。

2) 長が議会の議決につき再議を要求する場合は、その理由を示さなければならない。

3) 議会が再議に付された議案を再び可決したときは、その議決は確定する。

4) 議会が再議に付された議案を再び可決するには、出席議員の3分の2以上の同意がなければならない。

5) 長が再議に付した議案を議会が再び可決した場合には、長は10日以内に議会を解散しない限り、失職する。

■解説

1) 正しい。176条1項。
試験当時の176条1項は、「普通地方公共団体の議会における条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決について異議があるときは」長はこれを再議に付すことができる、という規定になっていた。この条文は試験後、「普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは」と改正されている。つまり再議の対象が広げられたことになる。

2) 正しい。176条1項。

3) 正しい。176条1項。

4) 正しい。176条3項。
現在は1項の改正に対応して、「前項の規定による議決のうち条例の制定若しくは改廃又は予算に関するものについては、出席議員の3分の3以上の者の同意がなければならない」と改正されている。

5) 誤り。これは長に対する不信任決議の場合であろう。178条2項参照。