■2004年行政書士試験・法令記述式問題

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■憲法(2004−36)【理論問題】

次の文章を読み、(A)(漢字2字)に当てはまる語として正しいものを記入しなさい。

ある年の参議院議事録にはこうある。

平成8年9月27日(金曜日)
午前10時1分開議
○議長(斎藤十朗君)
第137回国会は本日をもって召集されました。これより会議を開きます。日程第一議席の指定議長は、本院規則第十四条の規定により、諸君の議席をただいまの仮議席のとおりに指定いたします。これにて休憩いたします。

午前10時2分休憩
〔休憩中衆議院が解散され、同時に本院は閉会となった〕

結局、このときの参議院は、席決めのためにわずか1分の会議を開いただけで、その後再開されることなく、終わってしまったわけであるが、いったい何故だろうか。それは、憲法が(A)制を採用しており、しかも、衆参両院の(A)が同一であるためである。

■解説

「国会が活動能力を持つ期間」を会期という。議会が期間を決めて活動するという会期制は、現行憲法でも採用されていると理解されている。
日本では天皇の召集により会期が始まり、所定期日の経過または衆議院の解散により終了する。憲法54条2項は、衆議院が解散されると参議院は同時に閉会される旨規定するが、これは衆参両院の(A会期)が同一であることを示している。本問については、佐藤幸治『日本国憲法論』(2011年、成文堂)444頁参照。

■行政法(2004−37)【理論問題】

次の文章の(A)(漢字4字)(B)(漢字3字)に当てはまる行政法上の専門用語を記入しなさい。

行政法秩序の第一次的形成権は行政権に専属し、裁判所は処分の違法性の事後審査に留まるべきであるとすれば、取消訴訟における行政処分の(A)の基準時は一般的には原則として処分時と解すべきであろう。ただし、同じ抗告訴訟であっても、不作為の違法確認訴訟犠務づけ訴訟では、(B)によるのが事柄の性質に合致すると解される。

■解説

違法判断の基準時」についての理解を問うものである。行政処分の後それを争う取消訴訟を提起したものの、処分から判決に至るまでの間に事実関係の変化や、法令の法令の改廃等が行われ得るため、どの段階で違法性を確定するべきか。それがこの問題である。

A) 違法判断。一般に違法判断の基準時については、処分時説が通説、判例(最判昭和27年1月25日)である。取消訴訟はすでになされた処分の事後審査と解されているためである。

B) 判決時。但し不作為の違法確認訴訟屋義務付け訴訟の場合、違法判断の基準時は判決時によるとされている。つまり訴訟中、行政庁が不作為状態にある申請につき何らかの応答をすると、訴えの利益はなくなり、訴えは却下となる。

本問については櫻井敬子−橋本博之『行政法』第5版(2016年、弘文堂)299−300頁参照。

■行政不服審査法(2004−38)【条文知識問題】

■解説

法改正に伴い削除。

■地方自治法(2004−39)【条文知識問題】

地方公共団体の自治立法権に関する次の記述のうち、地方自治法の条文に照らして、(A)(B)(漢字各2字)に当てはまる適切な語を記入しなさい。

地方公共団体の自治立法権を保障した憲法第94条には、「地方公共団体は、…法律の範囲内で条例を制定することができる」と規定されているが、一般にここでいう「条例」には、地方議会の制定する狭義の「条例」のみならず、長の制定する「規則」も含まれると理解されている。
これを受けて地方自治法第15条には地方公共団体の長が、(A)に違反しないかぎりにおいて、その権限に属する事務に関し、規則を制定できること、その規則中に、規則に違反した者に対し5万円以下の(B)を科する旨の規定を設けることができることが規定されている。

■解説

地方自治法15条2項 普通地方公共団体の長は、(A法令)に特別の定めがあるものを除くほか、普通地方公共団体の規則中に、規則に違反した者に対し、5万円以下の(B過料)を科する旨の規定を設けることができる。

■民法(2004−40)【判例問題】

次の文章は、最高裁判所の判決の一節である。これを読み、(A)(漢字4字)および(B)(漢字5字)に当てはまる最も適切な語を記入しなさい。

「不特定物を給付の目的物とする債権において給付せられたものに隠れた暇疵があつた場合には、債権者が一旦これを受領したからといつて、それ以後債権者が右の暇疵を発見し、既になされた給付が債務の本旨に従わぬ不完全なものであると主張して改めて債務の本旨に従う完全な給付を請求することができなくなるわけのものではない。債権者が暇疵の存在を認識した上でこれを履行として認容し債務者に対しいわゆる(A)責任を問うなどの事情が存すれば格別、然らざる限り、債権者は受領後もなお、取替ないし追完の方法による完全な給付の請求をなす権利を有し、従つてまた、その不完全な給付が債務者の責に帰すべき事由に基づくときは、(B)の一場合として、損害賠償請求権および契約解除権をも有するものと解すべきである。」
(昭和36年12月15日最高裁判所第二小法廷判決)

■解説

債務不履行責任と瑕疵担保責任の関係が問題となった塩釜声の新聞社事件である。Aには瑕疵担保、Bには、債務不履行がはいる。

債務不履行と瑕疵担保責任の違い、特に種類物について瑕疵担保責任の適用があるか否かという点については、法定責任説(通説)と契約責任説の対立がある。契約時目的物に存在した瑕疵につき、前者は、種類物であれば債務不履行責任、特定物であれば瑕疵担保責任の問題であるとする。一方後者は、種類物にも瑕疵担保責任が適用される旨説く。

なお本問判例は、法定責任説を基本としつつ両説の折衷的な見解を示している。つまり、種類物売買においては債務不履行責任が生じるが、一定の時期(「暇疵の存在を認識した上でこれを履行として認容し債務者に対し」「瑕疵担保責任を問うなどの事情」が存する時点)以降は瑕疵担保責任のみ生じるとしている。

本問については、藤岡−磯村−浦河−松本『民法W』第3版補訂(2009年、有斐閣)81頁以下参照。