■2002年行政書士試験・基礎法学2

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■法の欠缺(2002−2)【理論問題】

次の文章は、19世紀ドイツのある法学者の文章を訳したものである。文中の(A)に入れるのに最も適当な語はどれか。

憲法典の(A)を、憲法の(A)と混同してはならない。法律畑にいない人は、法命題は制定法に規定されていなければ存在しないものと考え、法学の任務が制定法の字句解釈に尽きるとみなす誤りに、陥りやすい。そして、ある特定の法命題が制定法によって定められているか否かは、しばしば、ほとんど無意味な偶然に左右される問題であることが、認識されないのである。けれども憲法典の(A)は、争われている問題の解決を、より一般的な法原理から導く作業を要請するだけのことである。

1) 慣習法
2) 法諺
3) 欠缺
4) 擬制
5) 禁反言

■解説

【難易度】難しい。ラーバントの論文「予算法」からの出題である。
02年の基礎法学については、第1問を得点できれば十分であったであろう。この問題を解くにあたっては、肢の語句を参照しながら問題文を読み、関係のなさそうな選択肢を切っていくとうまく正解に達するかもしれない。

1) 適切ではない。問題文では別に、世間で行われている「法」について述べられているわけではないからである。

2) 適切ではない。法諺(法格言)とは、「悪法も法である」や、「後法は前法を廃止する」等をいう。

3) 適切である。問題文では、「制定法に規定されていなければ存在しないものと考え、法学の任務が制定法の字句解釈に尽きる誤り」に陥る事を回避し、憲法典の欠缺の場合は、−欠缺→憲法典に規定されていない→存在しないと考えるのではなく−、「争われている問題の解決を、より一般的な法原理から導く作業を要請する」(それにより穴埋する)という流れになっている。

4) 適切でをはない。擬制とは、「みなす」ということである。これは、「胎児は生まれてはいないが、損害賠償請求については生まれたものとみなす」(民法721条参照)という使われ方をする。つまり事実に反するものを反しないと法律上扱うことである。

5) 適切ではない。禁反言(エストッペル)とは、要は前と後で食い違う、一貫していない行動をとることを禁止するものである。なお禁反言については、2000年第37問にも注意。