■2002年行政書士試験・法令記述式問題

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■憲法(2002−36)【条文知識問題】

次の文章は、日本国憲法の条文である。これを読み、(A)(B)に当てはまる語(漢字各2字)として正しいものを記入しなさい。

「内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の(A)があったときは、内閣は、総辞職をしなければならない」。
「内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
三 条約を締結すること。但し、事前に時宜によっては事後に国会の(B)を経ることを必要とする」。

■解説

憲法70条 内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の(A召集)があったときは、内閣は、総辞職をしなければならない。

73条3号 条約を締結すること。但し、事前に時宜によっては事後に国会の(B承認)を経ることを必要とする。

■行政法(2002−37)【条文知識問題】

次に示す行政手続法第10条の条文中の、(A)(B)に入る正しい語(漢字各3字)を記入しなさい。

「行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において(A)等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、(B)の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない」。

■解説

行政手続法10条 行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において(A許認可)等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、(B公聴会)の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない

■行政法(2002−38)【理論問題】

次の各文章の枠内(括弧各漢字1字)を埋め、そこにおける(A)、(B)、(C)の語(各漢字1字)を用いて、下の行政法の専門用語(漢字4字)を完成させ、解答欄B、A、Cの語を記入しなさい。

ア) 当事者間の法律行為を補充して、その私法上の効果を完成させる行政行為を( )(A)という。

イ) 取消訴訟を提起しても、行政処分の効力、執行等は直ちに停止しない。これを「執行(B)( )( )の原則」という。

ウ) 機関訴訟、民衆訴訟は、裁判所法にいう「法律上の(C)( )」には当たらない。

専門用語 (B)(A)(C)力

■解説

裁判所法(3条)の穴埋めが出題されているので、面食らった受験生もいるかもしれないが、ア)イ)については正解しておきたい。おそらく部分点もあるので、ア)イ)ができていれば4点取れたはずである。

ア) 当事者間の法律行為を補充して、その私法上の効果を完成させる行政行為を(認可)という。農地の権利移動の許可(農地法3条1項)が代表例である。塩野宏『行政法T』第5版(2009年、有斐閣)120−121頁。

イ) 取消訴訟を提起しても、行政処分の効力、執行等は直ちに停止しない。これを「執行(不停止)の原則」という(行政事件訴訟法25条1項)。

ウ) 機関訴訟、民衆訴訟は、裁判所法(3条1項)にいう「法律上の(争訟)」には当たらない。裁判所法3条は、司法権概念に「法律上の争訟」が含まれるとする憲法76条を確認したものと解されている(裁判所法が法律上の争訟という概念を作ったのではない)。つまり法律上の争訟ではない(客観訴訟)機関訴訟、民衆訴訟は、本来裁判所で審理できないものだが、法律上例外の訴訟類型として認められたものと解されている。芦部信喜『憲法』第3版(2005年、有斐閣)310頁。

正解は、「専門用語(B不)(A可)(C争)力が答えとなる。ウ)の条文を知らなくとも、A、Bをうめることができれば類推でCもうめることができたかもしれない。

不可争力とは、行政事件訴訟法規定の出訴期間(14条)を過ぎれば、私人の側からは行政行為の効力を争うことができなくなるというものである。前掲塩野152頁以下。

■行政書士法(2001−39)

■解説

現在行政書士法は試験科目ではないため、問題文の掲載、解説を省きます。

■民法(2002−40)【理論問題】

次の記述中の(A)(B)に、漢字6字以内で、該当する権利を記入しなさい。

甲は、所有者乙から土地を賃借していた。ところが、丙が無断でこの土地の使用を始めた。このような状況で、丙をこの土地から排除するために、甲の丙に対して採りうる民法上の手段としては、甲がこの土地の引き渡しを受け、賃借権につき対抗力を備えている場合には(A)に基づく妨害の排除請求が、未だ引き渡しを受けず対抗要件も備えていない場合には(B)により乙の所有権に基づく妨害排除請求権の行使が考えられる。

■解説

問題文から、甲乙間に不動産賃貸借契約が存在し、契約に基づく甲の不動産利用権限が侵害されていることが示されている。この場合甲は、乙に対し賃貸借上の権利に基づき土地の使用収益をさせるように請求が可能であるし、甲が当該土地を占有していれば自己の占有訴権を行使できる。

A) 不動産賃借権。ここでは問題文中の「賃借権につき対抗力を備えている」という説明が手掛かりになる。本来妨害排除請求権は物権に基づく権利だが、判例は、対抗力を備えた不動産賃借権(債権)に基づく妨害排除請求権を認めている(最判昭和30年4月5日。賃借権の物権化)。
なお不動産賃借権に対抗力を具備させるには、不動産賃借権の登記(民法605条)を備えたり、甲が土地上に登記済みの建物を有していること(借地借家10条1項)が必要となる。

B) 債権者代位権。甲が「乙の所有権に基づく妨害排除請求権の行使」という部分が手掛かりになる。乙の所有権に基づく妨害排除請求権を「甲」が行使するには、乙が有する妨害排除請求権を甲が代位行使することになる。よってBには「債権者代位権」(民法423条1項)が入る。
なお債権者代位権は、本来金銭債権を保全するものだが、本文のような事案で債権者代位権を用いることが判例上認められている(債権者代位権の転用)。

なお本試験では、Aを「占有訴権」と答えても満点が与えられたようである。

本問全体については、内田貴『民法V』初版(1997年、東大出版会)223頁以下参照。