■2001年行政書士試験・基礎法学2

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■法学概論(2001−2)【理論問題】

次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア) 日本社会は、法によって秩序づけられているが、そこでは成文法主義が採用されている。

イ) 成文法主義は、社会の構成員に行動基準を指し示し、裁判官に裁判の基準を明確に示すのに役立つが、時代の変化には即応しにくい。

ウ) 憲法と法律には、上下関係があり、制定の仕方においても違いがある。

エ) 国会が制定した法律でも、私法の関係においてみると、商法(特別法)は民法(一般法)に優先して適用される。

オ) 法律は、原則として遡及して適用することができない。

カ) 法律も命令も立法権者は同じである。

1) 2つ
2) 3つ
3) 4つ
4) 5つ
5) 6つ

■解説

【難易度】普通。

ア) 正しい。英米法系の採用する「判例法主義」と異なり、日本法や大陸法は、「成文の法律を作り、これによって裁判するという考え方」(星野英一『法学入門』〔1995年、放送大学教育振興会〕140頁参照)をもとにする「成文法主義」、制定法主義を採用している。

イ) 正しい。成文法主義の欠点の1つが、時代の変化に対する即応性がない、ということである。例えば現行の刑法は、口語化の改正を除き制定以来全面改正が1度も行われていないが、これは即応性のなさを表す証拠となろう。

ウ) 正しい。憲法と法律の間には、上下関係があり「憲法が優位」する(憲法97条1項、ケルゼンの法段階説も参照せよ。前掲星野92−93頁。なお、憲法と国際法の間の優劣関係について注意)。また制定についても憲法の場合は、国会の議決に加え国民投票を必要とする国もあるなど、法律制定手続より厳しい要件が課せられている場合が多い。

エ) 正しい。民法は私法の一般法であり、私法の一部を規律する商法は民法の特別法になる。一般法と特別法の間には、「特別法は一般法に優先する」という原則がある。前掲星野90頁以下。

オ) 正しい。刑事法において遡及処罰は絶対禁止(憲法39条)とされていることには注意されたい。

カ) 誤り。法律の立法権者は国会(59条)だが、命令は各省大臣(国家行政組織法12条参照)である。

よって正解は4)の5つとなろう。