■2001年行政書士試験・地方自治法

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■住民投票(2001−17)

住民投票に関する次の記述のうち、正しいものはどれか(2001年4月現在)。

1) 日本においてはじめて住民投票条例が制定されたのは、新潟県巻町の原発立地の賛否を問うものであった。

2) これまで実施されてきた住民投票は、岐阜県御嵩町の産廃施設の賛否を問う住民投票のようにすべて直接請求に基づく条例制定によるものであった。

3) 条例に基づき県において実施された住民投票は、沖縄県の米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の見直しについて賛否を問うものであった。

4) 新地方自治法により市町村合併の賛否に関する住民投票制度が法定され、議会が市町村合併に反対するとき、住民発議に基づく住民投票が可能になった。

5) 法定された住民投票制度では住民発議に有権者の10分の1以上の署名を必要とし、市町村合併の賛否の結果が有権者の総数の3分の1以上に達した時、法的拘束力をもつとされる。

■解説

■内閣と国会の関係・長と議会の関係(2001−18)

次の記述は、内閣と国会間の関係との比較において、地方公共団体の長と議会との関係を述べたものである。誤っているものはどれか。

1) 議会において地方公共団体の長に対する不信任議決が行われたときは、地方公共団体の長は、内閣同様、10日以内に解散権を行使しないかぎり、その職を失う。

2) 地方公共団体の長は、議会の不信任議決を受けて解散権を行使することができるが、内閣と異なり、信任決議案の否決の場合の解散ということはない。

3) 地方公共団体の長は、解散権行使に基づく議会議員の選挙の後、議会が招集されたときは、内閣同様、直ちに辞職しなければならない。

4) 地方公共団体の長は、内閣と異なり、予算に関する議決について異議があるときは、その送付を受けた日から10日以内に、理由を付して再議を請求することができる。

5) 地方公共団体の長は、内閣と異なり、議会において議決すべき事件を議決しないときは、その議決すべき事件につき決定することができる専決処分権をもつ。

■解説

1) 正しい。不信任決議後10日以内に衆議院が解散されなければ、内閣は総辞職しなければならない(憲法69条)。10日以内に議会を解散しなければ、長はこれと同様に失職となる(地方自治法178条1項2項)

2) 正しい。憲法69条には、「信任の決議案を否決したときは…解散されない限り」とあるが、地方自治法178条2項は「不信任の決議」があった場合の解散についてのみ規定する。

3) 誤り。よってこれが正解。解散後の議会招集語直ちに長は辞職しなければならない、ということはない。なお地方自治法178条2項3項参照。

4) 正しい。176条。再議とは、いわゆる長の(一般的)拒否権のことである。なお内閣にはこのような拒否権がないことは言うを待たない。

5) 正しい。179、180条。

■国地方係争処理方式(2001−19)

地方自治法に定める国地方係争処理方式に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1) 国と地方公共団体間の関与をめぐる争いは、法定受託事務については国が、自治事務については地方公共団体が、審査の申出を行い、さらに出訴するものとされている。

2) 国と都道府県間の紛争は国地方係争処理委員会に、国と市区町村間の紛争は自治紛争処理委員に、審査の申出をするものとされている。

3) 地方公共団体が審査の申出をする場合には、地方議会の議決を経なければならず、出訴にあたっても同様の手続が必要とされる。

4) 地方公共団体が国の関与を争い出訴するときは、回復困難な損害を避けるため緊急の必要があるときを除き、審査の申出を経なければならない。

5) 国地方係争処理委員会の委員は総務大臣が両議院の同意を得て任命し、また自治紛争処理委員は、事件ごとに総務大臣または都道府県知事が任命する。

■解説

1) 誤り。国の是正の要求または指示に対して、地方公共団体が従わない場合に、国の側からの審査の申出ないし訴訟の提起を認める制度というのは、存在しない。塩野・行政法V192頁。

2) 誤り。自治紛争処理委員は、「普通地方公共団体相互の間又は普通地方公共団体の機関相互の間の紛争の調停」(251条)等を行うのである。

3) 誤り。議会の議決を経る必要はない。250条の13、251条の5参照。

4) 誤り。国の関与を争い出訴する場合、審査の申出を経なければならないという点は正しい(251条の5。その限りでは、審査前置主義が採られているといえる)。前掲塩野191頁。但し緊急の必要云々ということを定めた規定はない。

5) 正しい。国地方係争処理委員会の委員につき250条の9第1項、自治紛争処理委員につき251条2項。

■地縁団体(2001−20)

次の記述のうち、「地縁による団体」(「地縁団体」と略称)に関する地方自治法の規定に則して正しいものはどれか。

1) 地縁団体は、都道府県知事の認可によって法人格を取得する。

2) 法人認可を受ける地縁団体は、その区城内に住所を有する個人のすべてが加入できるものでなくてもよい。

3) 法人認可を受ける地縁団体の規約には、構成員の資格、代表者等のほか資産に関する定めを必要とする。

4) 法人認可を受けた地縁団体は、地方公共団体の行政組織の一部を構成することとなる。

5) 認可を受けた地縁団体は、公益法人とみなされ、そのすべての権利義務を有することとなる。

■解説

1) 誤り。都道府県知事の認可ではなく市町村長の認可が正しい(260条の2第1項)。

2) 誤り。地縁団体の区域内に住所を有する個人のすべてが加入できるものでなければならない。260条の2第2項3号。

3) 正しい。260条の2第3項。

4) 誤り。260条の2第6項は、地縁団体を地方公共団体の行政組織の一部を構成するものと考えてはならないとしている。

5) 誤り。あくまで税制上公益法人とみなされるにとどまる。260条の2第16項等。兼子仁「新地方自治法」102頁参照。