■2000年行政書士試験・基礎法学1

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■法規範と道徳規範(2000−1)【理論問題】

次のうち、法規範の特徴につき述べたものはいくつあるか。

1) 人間の行動選択の基準となりうるものである。

2) 国家によるサンクションを伴うものである。

3) 崇高な理想のもとで高貴な人間となることを期待したものである。

4) 人間観の愛情が基礎となっているものである。

5) 行為者自らの意思に委ねられているものである。

6) 社会秩序の維持を目的としたものである。

1) 1つ
2) 2つ
3) 3つ
4) 4つ
5) 5つ

■解説

【難易度】普通。法規範の特徴、特に法規範と道徳規範の差異という論点は、法哲学上の難問の1つであるが、行政書士試験レヴェルでは、一般的に行われている法規範と道徳規範の違いについての説明を頭に入れておけば足りる。

1) 法規範の特徴。道徳規範は人間の「内面的心情」を対象とし、一方法規範は人の「外面的行動」を評価の対象とする(カント)。星野英一『法学入門』(放送大学教育振興会、1995年)67−68頁以下。これは規範の対象の差異に基づく区分である。

2) 法規範の特徴。道徳規範には社会的強制はあるが、国家による制裁(刑罰、損害賠償等)を伴うものではない。前掲星野70頁参照。

3) 道徳規範の特徴。「だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」という「高度の道徳」は、法規範により強制されるものではない。前掲星野72頁。

4) 道徳規範の特徴。法規範の中には人間の愛情と無関係の規範も存在する。

5) 道徳規範の特徴。法規範は人を外から義務付ける「他律的規範」であるのに対し、道徳は各自が自己に課する「自律的規範」である。前掲星野68頁。

6) 法規範の特徴である。法規範は「社会秩序」を維持し、道徳規範は「道徳秩序」を維持するものと言える。

正解は3)の3つである。